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Channel: 司法書士 福田マサルの「超」ブログ
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一澤帆布の相続

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天満・天六の司法書士事務所


福田司法書士事務所の服部です。


おはようございますクローバー


一澤帆布とゆう鞄屋さんのお話。


私が高校生の頃はとても流行っていて、一澤帆布という名前を嫌でも覚えてしまうほどでした。


それが、大学生になり、事情は変わりました。


一澤信三郎帆布へと名前が変わっています。


名前は変わりましたがそれでも鞄の質は変わってないようにみえます。


なんで名前変わったんやろう?


相続で揉めたらしい。


ふーん。


その当時はそんな感じで詳細まで知りませんでした。


で、なんでそんな話になったかというと、事務所で遺言書の検認の話をしていたからです。


福) 自筆証書遺言がでてきたら、裁判所に検認の申立てをしないといけないよね…


服) 検認して遺言書が本物か偽物かでもめることなんてほんとにあるんですか?


と素朴な疑問をぶつけました。


福) あるよ。


というわけで、


一澤帆布の話題に。


ストーリーを簡単に説明。


先代の相続で、先代が弁護士に預かっていた遺言書と、長男が預かっていたという遺言書がでてきて、
その両者の内容が全く反対のものでした。


最初に信三郎さん(三男)が、遺言書が偽造であると、長男を訴えました。


結果、遺言書が無効であるとは言いきれない、ということで、信三郎が敗訴しました。


その結果、後の日付の遺言書(長男が預かっていたという遺言書)が有効となり、長男が会社の株式を相続。


長男は会社の大半の株式を保有することになったので、株主総会で役員である信三郎さんを解任します。


会社を追い出された信三郎さんは新たに信三郎帆布をつくります。


一澤帆布にいた職人さんもほとんどが信三郎帆布にうつったそうです。


これで話はおしまいかと思いきや、


今度は信三郎さんの奥さんが長男を訴えたのです。


え、いっぺん裁判で負けた(判決が確定した)のにおんなじことをおんなじ当事者が裁判していいの?


と、一瞬思いましたが、


今度は遺言書の無効を訴えたのです。


しかも、奥さんが、自分が先代の相続人であるという立場で。


今度は奥さんが勝訴します。


これで、相続はやりなおし。


遡及効があるので株主総会の決議も取り消されます。


相続は終わったけど、もうどうしようもありません。


新しいブランドは立ち上がったかもしれないけど、私の中では相続でもめたというイメージが大きすぎます。


この話でポイントは、


2つの裁判で結論が違うことだそうです。


2つの裁判では当事者も、訴訟物も違うので同じ裁判が繰り返しているわけではないのです。


最初は、信三郎さんが遺言書が偽造であると訴え敗訴。


次は、奥さんが遺言書が無効であると訴え勝訴。


同じ被相続人で、同じ遺言書について争っているのに、こういう結果になるのです。。


あと、気がかりなのは、弁護士に預けていた遺言書が、公正証書遺言ではなかったこと。

これが、ことの発端ですよね。


それから、もとのもとをいえば、先代が相続、事業承継について正しく対策を講じていたらよかった、とういう点です。


いろいろ考えさせられる話でした。


土日も対応いたします!!


福田司法書士事務所

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