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電子記録債権と根抵当権

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おはようございます。
司法書士の 福田 超 です。


さて、昨日の続き、「電子記録債権」。
電子記録債権は、根抵当権で担保されるのかということ。

平成24年4月27日付け法務省民二第1106号民事局民事第二課長通知
「根抵当権の被担保債権の範囲について」によれば、

被担保債権の範囲を
「銀行取引 手形債権 小切手債権 電子記録債権」とする根抵当権の設定の登記の申請は、
受理をして差し支えないとされています。

ここにいう「電子記録債権」とは、
根抵当権者が債務者との間の取引によらずに取得したいわゆる回り電子記録債権を指すようです。

電子記録債権は手形や小切手と同様に転々流通する性質のものであるため、
民法398条の2第3項、398条の3第2項の類推適用により、
回り手形、回り小切手に準じて、回り電子記録債権を根抵当権の被担保債権とする登記申請を許容するものされています。

ほんとにその解釈でいいのでしょうか?

もちろん、
「電子記録債権」を根抵当権の被担保債権の範囲に入れられることについては、
異論はありません。

しかし、
「回り電子記録債権」のことを指すと通達で言っちゃう部分が個人的には釈然としません。


ここで、前提として、
根抵当権の債権の範囲でもっともポピュラーな
「銀行取引 手形債権 小切手債権」について検討します。

ここでいう「手形債権 小切手債権」というのは、
回り手形・回り小切手を意味します。


回り手形・回り小切手を根抵当権の担保すべき債権とすることができる根拠は、
前述の民法398条の2第3項、398条の3第2項に明文があるからです。

また、
根抵当権者と債務者との間の取引から発生したものではない
回り手形・回り小切手を担保するためには、債権の範囲にわざわざ「手形債権 小切手債権」
を記載しなければならないとされています。




それでは、次に、
回り電子記録債権が根抵当権で担保されるのか検討します。

民法や電子記録債権法には、
回り電子記録債権を根抵当権の被担保債権とすることを許容する明文の規定はありません。

そうであるならば、
上記通達で、債権の範囲として登記されている「電子記録債権」は、
「根抵当権者と債務者との間の取引によって生じた電子記録債権」の意味にすぎず、
仮に当事者が「回り電子記録債権」を被担保債権とする意思を有していたとしても法文上は不可能であるとの解釈も成り立ちます。

結論としては、
回り電子記録債権を根抵当権で担保するためには、
回り電子記録債権を根抵当権で担保すべき債権の範囲とすることができるという民法改正と、
それを根拠にして、根抵当権の債権の範囲に「電子記録債権」を加えるという根抵当権変更登記が必要になると思うのですが、
いかがでしょうか?


ほんとに通達だけで運用していいのでしょうか?って話でした。


電子記録債権法の理解不足で、記述が正確でない部分もあるかもしれませんが、
ご容赦ください。

お付き合いありがとうございました!
それでは、また。



土日も対応いたします!!



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